「インフラエンジニアって未経験でもなれる?」「CCNAは取得しないといけないの?」インフラエンジニアへの転職を検討している方から、こうした質問が多く寄せられます。インフラエンジニアはWebエンジニアほど知名度はありませんが、IT業界の根幹を支える重要な職種であり、クラウド需要の拡大により市場価値はますます高まっています。本記事では、未経験からインフラエンジニアを目指す方法・必要なスキルと資格・CCNAの必要性・転職のポイントまでを徹底解説します。
インフラエンジニアとはどんな仕事か
インフラエンジニアとは、ITシステムを動かすための基盤(インフラ)を設計・構築・運用・保守する職種です。具体的にはサーバー・ネットワーク・ストレージ・クラウドなどのハードウェアおよびミドルウェアを扱います。Webエンジニアがアプリケーション層を担当するのに対し、インフラエンジニアはその下の基盤層を担当します。
インフラエンジニアの仕事は大きく「オンプレミス系」と「クラウド系」に分けられます。オンプレミス系は物理サーバーやネットワーク機器を自社データセンターに設置・管理する仕事で、クラウド系はAWS・Azure・GCPなどのクラウドプラットフォーム上でインフラを構築・運用する仕事です。近年はクラウド移行(クラウドマイグレーション)が進み、クラウドエンジニアの需要が急速に拡大しています。
未経験からインフラエンジニアになれる理由
インフラエンジニアは未経験者にとってチャレンジしやすい職種のひとつです。その理由は主に3つあります。
- SES企業が未経験採用に積極的:SES(システムエンジニアリングサービス)企業では、未経験者を採用して自社研修でスキルを身につけさせ、客先に派遣するビジネスモデルが一般的です。そのため未経験者歓迎の求人が多く、入社のハードルが比較的低いです。
- 運用・監視からキャリアをスタートできる:最初はサーバーやネットワークの監視・障害対応など、比較的シンプルな業務からキャリアをスタートできます。実務を通じてスキルを身につけながら、徐々に設計・構築業務へとステップアップする道筋が整っています。
- クラウド需要で求人数が増加中:AWSやAzureなどのクラウドサービスの普及により、インフラエンジニアの需要は急拡大しています。クラウド入門レベルの資格(AWS認定クラウドプラクティショナーなど)を取得することで、未経験でも採用される可能性が高まります。
インフラエンジニアに必要なスキルと学習内容
インフラエンジニアとして働くために必要なスキルを、習得の優先順位に沿って解説します。
①ネットワーク基礎知識
インフラエンジニアの土台となるのがネットワークの基礎知識です。OSI参照モデル・TCP/IP・IPアドレス・サブネットマスク・DNS・DHCP・ルーティング・スイッチングなどの概念を理解することが不可欠です。これらはCCNAの試験範囲とほぼ重なるため、CCNA学習を通じて体系的に習得することができます。
②Linuxサーバー基礎
サーバー管理の現場ではLinuxが広く使われているため、Linuxの基本操作は必須スキルです。ファイル操作コマンド(ls・cd・mkdir・cp・mv・rm)・テキスト編集(vim・nano)・プロセス管理・パーミッション設定・シェルスクリプトの基礎などを習得しましょう。LinuC(Linuxプロフェッショナル認定試験)やLPICの学習が有効です。
③クラウド(AWS)の基礎
現代のインフラエンジニアにとってクラウドの知識は必須です。特にAWSはクラウド市場のシェアトップで、求人数も最多です。AWSの無料利用枠を活用しながら実際に環境を構築し、EC2・S3・RDS・VPC・IAMなどの主要サービスの基礎を習得しましょう。AWS認定クラウドプラクティショナーの取得が最初のステップとして最適です。
④仮想化・コンテナ技術の基礎
近年のインフラ現場ではDockerやKubernetesなどのコンテナ技術が急速に普及しています。転職活動の段階ではDockerの基礎(イメージ・コンテナ・docker-composeの基本操作)を理解していると、より多くの求人に対応できます。最初は仮想化の概念を理解し、VirtualBoxやVMwareで仮想環境を構築する練習から始めるとよいでしょう。
CCNAは本当に必要か?正直な答え
インフラエンジニアを目指すにあたり、多くの方が気になるのが「CCNAは必要か」という点です。CCNAとはCisco社が認定するネットワーク技術者向けの国際資格で、インフラエンジニア界隈では広く認知されている資格です。
結論として、CCNAは「あれば有利だが、必須ではない」というのが正直な答えです。特にネットワーク系の案件を多く扱うSES企業やネットワークエンジニア専門職を目指す場合は、CCNAの取得が強力なアピールポイントになります。一方、クラウドインフラを中心に扱う企業を目指す場合は、CCNAよりもAWS認定資格のほうが優先度が高いケースが多いです。
未経験からインフラエンジニアへの転職を目指す場合の資格優先順位としては、まずITパスポートでIT基礎知識を固め、次にAWS認定クラウドプラクティショナーまたはLinuCレベル1を取得するのが効率的です。CCNAはその後のステップとして取得を検討するのがおすすめです。試験費用や勉強時間を考えると、最初からCCNAに全力を注ぐよりも、転職市場での需要が高いクラウド資格を優先するほうが転職成功への近道です。
未経験インフラエンジニアの学習ロードマップ(3~6ヶ月)
- 1ヶ月目:IT・ネットワーク基礎の習得。ITパスポートの勉強をしながら、ネットワークの基礎(TCP/IP・IPアドレス・DNS)をYouTube解説動画や書籍で学ぶ。
- 2ヶ月目:Linuxコマンドの習得。LinuCレベル1の教材を使ってLinuxコマンドを学習。VirtualBoxで仮想環境を構築し、実際にコマンドを打ちながら練習する。
- 3〜4ヶ月目:AWSの学習と資格取得。AWSの無料利用枠でEC2・S3・RDSを実際に触りながら学習。AWS認定クラウドプラクティショナーの取得を目指す。
- 4〜5ヶ月目:Dockerの基礎習得。docker run・docker-composeを使ってコンテナ環境を構築する練習を行う。
- 5〜6ヶ月目:転職活動の開始。転職エージェントに登録し、学習内容をまとめたGitHubプロフィールや構築手順書をポートフォリオとして準備して転職活動を進める。
インフラエンジニアの年収と将来性
インフラエンジニアの年収は経験・スキル・専門分野によって大きく異なります。未経験〜1年目は300〜350万円程度からスタートするケースが多いですが、3〜5年の実務経験を積むと400〜600万円程度に上昇します。特にAWS・Azure・GCPなどのクラウドスキルを持つクラウドエンジニアは需要が高く、5年以上のキャリアを持つシニアクラウドエンジニアでは700〜900万円以上の年収も珍しくありません。
将来性という観点では、クラウド移行・DX推進・セキュリティ強化など、インフラ領域の需要は今後も拡大し続けると予測されています。特にクラウドインフラとセキュリティの両方に精通したエンジニアは、市場での希少性が高く、フリーランスとしても高単価で活躍できます。未経験からのスタートであっても、継続的なスキルアップにより市場価値を高め続けられる職種です。
まとめ:クラウドを武器にインフラエンジニアへの道を切り開こう
未経験からインフラエンジニアを目指すことは十分に可能です。SES企業の未経験採用枠を活用しながら、ネットワーク基礎・Linux・クラウド(AWS)のスキルを段階的に習得していくことが成功への道筋です。CCNAは取得できれば有利ですが、まずはAWS認定クラウドプラクティショナーとLinuCレベル1を優先することをおすすめします。
インフラエンジニアはWebエンジニアほど表舞台に出ることは少ないですが、ITシステム全体を支える縁の下の力持ちとして非常に重要な役割を担っています。クラウド時代の今、インフラエンジニアのスキルを身につけることは、長期的に市場価値の高いキャリアを築く上で非常に有効な選択です。本記事を参考に、ぜひインフラエンジニアへの第一歩を踏み出してください!


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